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ベッド・マットレスのこと
古いマットレスを自分で解体!お金をかけずに処分する方法
公開日:2025.06.07(Sat)
引っ越しやベッドの買い替えで出た古いマットレス、どうやって処分していますか?大きくて重いマットレスは、粗大ごみに出すのも一苦労ですよね。
でも実は、自分で解体・分解すれば小さくして普通の家庭ごみとして処分でき、粗大ごみの回収費用を節約できるんです。
この記事では、マットレスを自分で解体する方法を種類別に分かりやすく説明します。スプリング入りマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイル)とノンスプリングマットレス(ウレタンフォーム・低反発素材など)それぞれの解体手順、必要な道具、安全な作業方法、解体後のごみの分け方まで詳しく解説します。
最後に、専門業者に頼んだ場合の費用や、解体しないで処分する方法(寄付・リユース)についても紹介します。マットレス処分で困っている方は、ぜひ参考にしてください。
マットレスを解体して処分するメリット・デメリット
マットレスを自分で解体しようと考える人は、自力でマットレスを処分してお金を節約したいという気持ちがあるでしょう。まずは、マットレスを自分で解体するメリットとデメリットを整理してみましょう。
メリット(費用節約・処分しやすさ)
粗大ごみ処分費用を節約できる 自治体によっては、マットレスを小さく分解すれば粗大ごみ扱いにならず、普通の家庭ごみ(燃えるごみ・燃えないごみ)として出せる場合があります。その場合、粗大ごみ回収の料金(1,000〜2,000円程度)を払わずに済み、処分コストを大幅に抑えられます。特に引っ越しや買い替えで出費が重なるとき、ゼロ円で処分できるのは大きな魅力です。
大型ごみを自力で処理できる マットレスを解体すればサイズが小さくなるため、自分でごみ袋に入れて処分場に持ち込んだり、少しずつ家庭ごみで出したりできます。自治体によっては「素材ごとに分別して出してください」あるいは「処分場に自ら持ち込めば引き取り可能」と指示するところも増えており、解体すれば自治体の指示に沿って処理しやすくなるケースがあります。
廃材をリサイクルしやすい マットレスを構成する素材(スプリングの金属、ウレタンフォーム、布など)を分解・分別すれば、それぞれ適切にリサイクルまたは処分できます。特に金属コイルは金属資源として回収してもらえるため、まるごと焼却処分するより環境負荷を減らせる利点もあります。
運び出しや保管が楽になる 解体して小さくすれば、一人でも運び出しが可能になり、アパートの階段や玄関から出せないといった問題も解消します。収集日までの間も、バラした部品は折りたたんだり積み重ねたりできるため場所を取りません。
以上のように、自力解体には経済的メリットと実用上のメリットがあります。しかし、一方で注意すべき点やデメリットも存在します。
デメリット・注意点(労力・安全面)
作業に時間と労力がかかる マットレス解体は簡単そうに見えて、実際は非常に重労働です。スプリング入りマットレスの場合、中身はほとんど金属コイルで頑丈なため、小さく切断するには大変な手間がかかります。工具の扱いに慣れた人でも解体に合計10時間程度、初めてだと20〜30時間ほど要する場合もあります。一日で終わらず数日かけて作業する覚悟が必要です。
ケガのリスク・安全確保 解体作業では鋭利な刃物を使ったり金属バネを切断したりするため、手を切る・バネが跳ねて刺さるなどの怪我リスクがあります。実際、マットレスのバネ両端は尖っていることが多く非常に危険です。また分解時に大きな音が出ることもあります。必ず厚手の手袋や保護メガネ、マスクを着用し、安全第一で作業しましょう。
作業スペースと環境の問題 マットレスの解体には、マットレス本体の2倍以上の広いスペースが必要と言われます。屋内で行うとホコリや細かなウレタン粉が舞い散るため、可能なら屋外の風通しの良い場所で作業してください。集合住宅では音やホコリで近隣に迷惑がかかる恐れがあるため、事前に作業場所や時間帯に配慮が必要です。
専用工具の準備が必要 後で詳しく説明しますが、マットレスの金属スプリングを切断するにはボルトカッターなど専用の切断工具がほぼ必須です。工具を持っていない場合は購入する必要があり、安いものでも2,000〜3,000円ほどの出費になります。工具代や手間を考えると、人によっては業者に依頼した方が結果的に良い場合もあるでしょう。
以上のデメリットを踏まえ、「費用を節約したいが、安全に自分でできるか不安」という方は多いと思います。次から、具体的な解体手順と安全策を詳しく説明していきます。無理せず自分の技量に合わせて、慎重に判断してください。
解体作業前の準備:必要な道具と安全対策
マットレスを解体する前に、あらかじめ工具や安全装備を準備しておきましょう。適切な道具を使うことで作業効率が上がり、事故のリスクも減らせます。また、作業環境を整えることも大切です。
用意する工具・アイテム
カッターナイフ(大型) 布製のマットレスカバーや中のウレタンフォームを切り裂くのに使います。刃はよく切れる新品を用意し、切れ味が落ちたら途中で交換しましょう。厚手の生地でも刃を立てれば十分切り開けます。※ハサミよりも大型カッターの方が厚い布や綿を切りやすくおすすめです。
ボルトカッター or 金属用ニッパー 金属製のスプリングコイルを切断する主力工具です。家庭用のペンチやニッパーでは太いコイルを切るのは困難なので、長い柄のボルトカッターを準備してください。安価なもので2,000~3,000円程度から購入可能です。ボンネルコイルのような太いバネを切る際は特に威力を発揮します。ボルトカッターが無ければ、金属用のこぎり(弓のこ)で代用する手もありますが、時間がかかるため非推奨です。
ペンチ・プライヤー ばらしたコイルの細かな金属片を曲げたり取り外したりするのに役立ちます。また、布地とコイルがホチキス留めされている箇所があればペンチで起こして外します。コイル切断後に飛び出た尖った先端をペンチで曲げて潰しておくと安全です。
マイナスドライバー・バール 場合によってはマットレス内部の木枠(箱型スプリングのフレームなど)や留め具を分解するのに使います。マットレスの種類によっては、コイルを固定する木板やプラスチック板が入っていることがあります。その際はドライバーや小型のバールでテコの原理を使って外しましょう。
軍手・作業用手袋 手を保護する厚手の手袋は必須です。金属のバネ先やカッターの刃から手を守るだけでなく、汚れたマットレスを触る際にも衛生的です。作業中に手袋が破れたらすぐ新しいものに交換し、安全を最優先してください。
保護メガネ・マスク スプリングを切断した瞬間に金属片が飛んだり、古いマットレスから埃やカビの粉が舞うことがあります。作業中はほこり等が飛び散りますので、マスクや保護メガネを着用しましょう。特に長年使用したマットレス内部にはハウスダストが溜まっているため、換気と防塵対策を徹底してください。
カッターマット・養生シート 床面を傷つけず作業するために、大きめの段ボールやブルーシートを敷いてその上で解体すると良いでしょう。布やウレタン片が飛び散っても後片付けしやすくなります。作業後はシートごと丸めてゴミを集められるので便利です。
大型ごみ袋・ひも 解体後の廃材を分類して入れるゴミ袋を用意します(燃えるごみ用・不燃ごみ用など)。厚手の透明袋だと中身が確認でき安心です。スプリングなど飛び出しやすいものは袋が破れないようにガムテープで先端を巻いてから入れると安全です。また、ある程度束ねられるもの(例えば巻きバネの塊)はヒモで縛ってまとめておくと処分しやすくなります。
安全対策と作業環境のポイント
二人以上で作業する マットレスは大きく重いため、可能であれば家族や友人と協力して作業してください。二人いればマットレスを押さえながらもう一人がカッターを使うなど、安全かつ効率的に進められます。特にスプリングを引き伸ばす際などは人手が多いほど安心です。
広いスペースの確保 前述のとおり、マットレス解体には広めの作業スペースが必要です。屋外なら庭や駐車場、ベランダなどホコリが舞っても差し支えない所を選びましょう。屋内で行う場合は家具を移動させ、周囲に壊れ物がない状態にしてください。作業中にバネが飛び出しても人や物に当たらない空間を確保します。
十分な明るさと頑丈な足場 細かい作業が多いため、明るい昼間に作業するか照明を用意しましょう。暗いと刃の位置を見誤って怪我をする恐れがあります。また、踏み台に乗って作業する場面もあるかもしれませんが、不安定な台は避けてください。基本は床にマットレスを置いて作業し、高い位置の切断は無理に行わないことです。
切断時の姿勢と手順 コイルを切る際は、刃が滑ったとき自分の体に当たらない方向から切ります。自分に向けて刃物を引くのは厳禁です。バネを切断する瞬間に大きな音と反動がありますので、しっかりと工具を握り、できれば耳栓をするとよいでしょう。周囲に人がいないことを確認し、「せーの」で力を込めて一気に切ります。躊躇すると刃が食い込んだまま外れなくなることもあります。
休憩と水分補給 長時間の力仕事になります。一度に無理せず、適宜休憩を入れて手や体をほぐしてください。特に夏場の屋外作業では熱中症にも注意し、こまめに水分補給をしましょう。集中力が切れると怪我のもとです。
準備と安全策が整ったところで、いよいよ具体的な解体の方法に移ります。次の章では、マットレスの種類(スプリング有無)ごとに解体手順を詳しく見ていきます。
スプリング入りマットレスの解体方法(ボンネルコイル・ポケットコイル)
スプリング(バネ)入りのマットレスは、内部に金属コイルの骨組みが入っているため解体の難易度が高めです。しかし正しい手順で進めれば、確実に分解して廃材を分別できます。
代表的なボンネルコイルマットレスとポケットコイルマットレスの解体方法を解説します。両者で共通する基本手順と、それぞれの構造に応じたコツを覚えましょう。
スプリングマットレス解体の基本手順
まず共通の大まかな流れを確認します。どちらのタイプでも、最初は布やウレタンの層を剥がしてコイルユニットを露出させ、次に金属コイル部分を細かく切断・分離するという手順になります。
1. 外装カバーを切り開く マットレス側面にカッターを入れ、表面の布カバーを大きく開きます。キルト生地やパイピング糸で縫い合わされている場合は、糸を切ってマットレスの内部構造が見える状態にします。必要に応じて裏面も同様に切り開きましょう。
2. クッション材を取り除く コイルの上や周囲に詰められたウレタンフォームやフェルト、綿などの詰め物を剥がします。接着されている場合もありますが、力を入れれば剥がせます。厚いウレタン層はカッターで格子状に切れ目を入れて小分けにすると外しやすいです。中央から持ち上げるように引っ張り、全面のクッション材を除去します。
3. スプリングユニットの取り出し クッション材を外すと、マットレス内部の金属スプリング構造がむき出しになります。これがマットレスの「骨格」であるスプリングユニットです。ポケットコイルの場合は布製の袋に入ったコイルがびっしり敷き詰められています。ボンネルコイルの場合は太い鋼線で繋がった一体構造のバネが一面に広がっています。まずこのユニットをマットレス枠から取り外しましょう。側面に金属の枠(フレーム)がある場合、それと生地がホッチキスやクリップで留められていることがあります。ペンチやバールで留め具を外し、スプリング全体をマットレス枠から分離します。重たいので慎重に持ち出してください。
4. スプリングの分解・切断 取り出したスプリングユニットをさらに細かく解体します。30cm以内の大きさにすれば多くの自治体で普通ごみとして扱ってもらえるため、目安として30cm四方以下のサイズにカットしていきます。ボンネルコイルならボルトカッターでバネ線を次々と切断し、ユニットを何分割にもバラバラにします。ポケットコイルならコイルを連結している布や糸を切って一つひとつのスプリングに分離します。作業中、バネが跳ねたり飛んだりしないよう、足で踏むかクランプで固定しながら少しずつ切断してください。コイル数が多く骨の折れる作業ですが、根気よく進めましょう。
5. 素材ごとに仕分け・廃棄 分解できたら、出てきた廃材を「金属部品(スプリング)」「燃えるごみ(布・ウレタン)」など素材ごとに分別します。スプリングは不燃ごみ(金属ごみ)、ウレタンフォームや綿・フェルト、布カバー類は可燃ごみとなるケースが一般的です。分別が終われば、それぞれ所定の方法で廃棄すれば作業完了です。
ボンネルコイルマットレスの解体手順とコツ
構造の特徴 ボンネルコイルマットレスは、太めのスプリングを連結して面状に編み上げた、一体構造のスプリングユニットを内蔵しています。シングルサイズで約100×200cmにも及ぶ大きな金属の塊で、コイル同士が螺旋状の鋼線で繋がれているのが特徴です。比較的歴史の長い一般的なマットレスに多く採用されています。
解体のポイント 上述の基本手順1〜3までは共通です。カバーとクッションを外し、スプリングユニットを取り出したら、ボンネルコイル特有の分解作業に入ります。他のパーツをすべて除去すると、最後に残るのは金属フレーム+スプリングの塊です。これを以下の要領で切り崩していきます。
外周フレームの切断 ボンネルコイルユニットの周囲には、形を保つための枠組みの鋼鉄ワイヤーが走っています。直径5mm前後の太い鋼線で、非常に硬い部分です。まずこの外枠をボルトカッターで切断し、コイルの束からフレームを取り外します(四角く縁取る枠をパチンと切って開放するイメージです)。フレームワイヤーは弾性があり切断時に跳ねやすいので、必ず両手でしっかり握って切ってください。無理に一度で切れない場合、少しずつ刃を食い込ませて何度かに分けて切断します。
コイルユニットを小分けにする 枠が外れたら、中の無数のバネの塊をさらに分割します。ボンネルコイルは全てのバネが連結して一枚物になっているため、これを適当な大きさに切り刻む作業が必要です。ボルトカッターを使い、コイルとコイルを繋いでいる横糸(螺旋状の細長いバネ鋼線)を一本ずつ切断していきます。1列ごとにコイルの連結を切り離し、列単位でバネの塊を分けていくと効率的です。列同士が剥がれにくい場合はカッターナイフで布を切り込むと剥がしやすくなります。最終的にコイル数個~十数個くらいの塊になるまで切り分けましょう。とにかく地道で握力を奪われる過酷な作業ですが、頑張りどころです。
バネの処理 分割したバネ塊は、可能であればさらに小さくしておくと処分しやすくなります。一つひとつのボンネルコイルは直径約6〜8cm、高さ10数cm程度の渦巻き状バネですが、そのままだとかさばります。手で押し潰せるものは潰し、難しければ数個単位で針金やテープで縛って圧縮しましょう。尖った端はペンチで内側に折り曲げ、安全を確保します。ここまでやれば金属部分の処理は完了です。
作業量は多いですが、ボンネルコイルは構造がシンプルゆえに豪快に切っていけるという利点もあります。切断力の高い工具さえあれば比較的短時間でバラせるでしょう。ただし、硬い分だけ**腕力が必要(ポケットコイルより力がいる)**なのが難点です。無理せず休憩しながら進めてください。
解体の目安時間 一人で休み休み作業して**丸1日(8~10時間)**程度が目安です。工具や体力によってはさらに時間がかかることもあります。
ポケットコイルマットレスの解体手順とコツ
構造の特徴 ポケットコイルマットレスは、直径5〜6cmほどの独立したコイルバネを不織布などの袋に一つずつ入れ、それらを多数並べて詰め込んだ構造です。シングルサイズで約400〜600個(製品による)の小バネが入っています。バネ同士は接着や袋の縫製によってある程度連結されていますが、ボンネルのように太い鋼線で一体化してはいません。高級マットレスに多く、体を点で支える構造のため寝心地が良いのが特徴ですが、その分解体時の手間がかかります。
解体のポイント 基本手順のステップ1〜3は同様です。カバーとウレタンを外すと、袋に入ったコイルがずらりと並んだ状態になります。ここからがポケットコイル特有の工程です。
コイルを列ごとに取り出す ポケットコイルは袋状の布(不織布)に複数のコイルが連なって入っています。例えばシングルサイズなら縦方向にコイルが何十個も一列に繋がった袋が並行に敷き詰められている構造です。まず、この袋の列を一本ずつ切り離します。列同士を繋いでいる布や糸をハサミやカッターで断ち切り、マットレスから独立した「バネ入りの筒状シート」を取り出してください。一列にまとまった状態にすると扱いやすくなります。
袋からコイルを取り出す 続いて、それぞれの袋から中のコイルバネを取り出します。袋は接着または縫製されていますが、思い切ってビリビリと破るか、ハサミで一つ一つ袋を切り開いてコイルを取り出しましょう。手間はかかりますが、力はそれほど必要ありません。袋を破るたびにバネが一個ずつ飛び出してくるので、それを脇にどんどん集めていきます。約500個前後のバネをひたすら取り出す作業になりますが、ここが忍耐の見せ所です。「ポケットコイルは力は要らないが手間と時間が必要」と言われる所以です。
コイルバネを小さく処理 裸のコイルバネになったら、基本的にそのまま**不燃ごみ(金属)として出せるサイズになっています(高さ15〜20cm程度)。自治体の規定で30cm未満ならOKという場合、多くのポケットコイルは追加で切断しなくても基準をクリアします。しかし、中には高さが30cmを超える大型コイルや連結したままのバネ列があるかもしれません。その場合はボルトカッターで半分に切るか、連結部分を切断して個別のコイルに完全に分離してください。バネの先端が尖って危ないものは同じくペンチで曲げて潰しておきましょう。最後にバネ全体を袋や箱にまとめておけば処分時も安心です。
布袋の処理 コイルを出し終わった後に残る大量の布切れ(ポケット)は、可燃素材であれば燃えるごみに出します。バネの粉(サビ)やウレタンくずが付着していることが多いので、掃除機で吸い取るかはたいて落としてから袋に入れると良いでしょう。
ポケットコイルの解体は、何と言っても数との戦いです。500回以上同じ動作を繰り返す単純作業になりがちなので、集中力を切らさないよう注意してください。一方で力仕事は比較的少なく、コツコツ解体するのが苦にならない人向きとも言えます。
解体の目安時間 一人で行う場合、数日に分けて合計15~20時間程度を見込んでおきましょう。作業に慣れた業者でもポケットコイルの分解には相応の時間を要するため、根気強く取り組むことが必要です。
解体作業のまとめポイント(スプリング入りマットレス)
相応の体力・時間を確保 ボンネルコイルは特に力が要り、ポケットコイルは時間がかかります。いずれにせよ無理のない計画で作業しましょう。可能なら数日に分け、疲れたら中断してOKです。作業中はこまめな休憩と安全確認を怠らないようにします。
工具と安全具は惜しまない 切断工具の良し悪しで作業効率が大きく変わります。少し太めのバネでも切れる大型のボルトカッターを準備し、刃物は切れ味を常に保ちます。また、ゴーグルや手袋などの保護具も外さずに最後まで装備してください。
作業後の清掃まで気を抜かない バネを切った際の金属クズやウレタン屑が周囲に散らばります。解体が終わったら念入りに掃除機やほうきで清掃し、小さな破片も残さないようにしましょう。踏むと危険な針金の切れ端などはガムテープでペタペタと拾い集めると効果的です。
ノンスプリングマットレス(ウレタン・低反発等)の解体方法
近年主流になりつつあるノンスプリング(スプリングを使わない)マットレスは、ウレタンフォームやラテックス、ファイバー素材などでできたマットレスです。低反発マットレスや高反発マットレスと呼ばれるものや、いわゆるフォームマットレス、折りたたみマットレスなどが該当します。これらは内部に金属コイルが入っていないため、比較的簡単にカットして処分できます。
解体手順(ノンスプリングマットレス)
スプリングが無いマットレスの場合、主な材料はウレタンフォームや綿・ポリエステル綿、ココナッツファイバーなど燃える素材です。そのため粗大ごみとして出さなくても可燃ごみとして処理できるケースが多いです。解体といっても、要は小さく切り刻んでごみ袋に入れる作業が中心となります。
1. 外カバーの切断・除去 マットレス表面の布カバーをカッターナイフで切り開きます。片側面を一周ぐるりと切ると、天面の生地をべろんと剥がせるでしょう。ファスナー付きのカバーであればファスナーを開けて中身を取り出せます。汚れていて再利用しない場合は、そのまま可燃ごみ袋に入れてしまいます。
2. 内部素材の分解 カバーを外すと中身のウレタンフォームや詰め物が露出します。これを適当なサイズにカットしていきます。一般的には一辺30cm以内に収まる大きさなら普通ごみとして出せる自治体が多いので、30cm四方程度を目安にウレタンフォームを切り分けましょう。厚みのある低反発ウレタンは弾力で刃が通りにくいですが、新しいカッター刃を使えばゆっくり切れます。難しければパン切り包丁など波刃の長いナイフを引くように使うとスムーズです。綿や羊毛が入っている場合は手でちぎって袋詰めにします。マットレスの芯材(ボード)が入っていれば、のこぎりで切るかサイズによってはそのまま粗大ごみに出します(芯材がプラスチック製なら不燃ごみへ)。
3. 素材の分別と袋詰め 取り出したウレタンブロックや綿は可燃ごみ、樹脂製のメッシュ材や付属パーツ(例えばファスナー、ウレタンを包んでいたフィルムなど)は不燃ごみに分類します。ウレタンフォームは圧縮すれば体積が減りますので、大きめのゴミ袋に体重をかけて押し込み、空気を抜きながら袋詰めすると良いでしょう。粉々になった低反発フォームは舞いやすいので、袋の中に集めてから空気ごと吸い取るように掃除機で吸引すると飛散せずに処理できます。
4. 廃棄処分 分別した袋は所定のごみの日に出します。ウレタン類は多くの自治体で燃えるごみの日に出せますが、念のためお住まいの自治体のルールを確認してください。「指定袋に入らなければ直接搬入」とされている場合は、袋に入るサイズまでしっかり細かくするか、清掃センターへの持ち込みを検討します。持ち込む場合も、一度ばらしておけば車に積み込みやすく運搬が楽です。
以上でノンスプリングマットレスの解体と処分は完了です。スプリングが無い分、切るための力はそこまで要りませんが、ウレタン粉が散らばりやすい点に注意してください。マスクを着用し、ゴミ袋は二重にするなどして、作業後の掃除を簡単にしましょう。
ノンスプリングマットレス解体のワンポイント
折りたたみマットレスの場合 3つ折りなどになっているウレタンマットレスは、折り目のところで芯材の板が入っていることがあります。この板(スノコ状の薄い木板やウレタンボード)は、可能なら引き抜いてから解体すると作業しやすいです。板はそのまま資源ごみ(木製なら粗大ごみ、ウレタン板なら可燃など)に出すか、ノコギリで切って普通ごみサイズにして処分します。
ラテックス(ゴム)素材の場合 天然ラテックスのマットレスは非常に弾力が強く、カッターの刃が跳ね返される感覚があります。新品時は重たく粘りもありますが、古くなると脆くなるので案外切りやすくなっていることも。コツコツ刃を入れて切り裂き、小さくしていきましょう。ウレタン同様に燃えるごみで処理できます。
ファイバー系マットレスの場合 ポリエチレン樹脂などの繊維状素材(高反発マットレスに使われることがあります)は、ハサミやカッターである程度切れますが、繊維が舞って厄介です。できるだけまとめて束ね、一気にビニール袋に詰め込んで処分します。こちらも基本は可燃ごみ扱いとなります。
ノンスプリングマットレスは素材がシンプルなので分別もしやすいですが、意外とゴミの量が多くなる点に留意してください。一度に出せるごみ袋の数や重量の制限が自治体にある場合、数回に分けて廃棄する計画を立てましょう。
解体後のごみ分別と処分方法【素材別】
ここまでマットレスの種類ごとに解体方法を説明してきました。解体作業が無事終わったら、最後のステップは廃材を正しく分別して廃棄することです。日本国内の一般的なごみ出しルールに従い、素材別に「燃えるごみ」「燃えないごみ」など適切な方法で処分しましょう。
お住まいの自治体のルールと照らし合わせながら参考にしてください。
マットレス解体後の主な廃材と分別区分
金属スプリング類(コイル、金属フレーム) 「不燃ごみ」あるいは「金属ごみ」として回収されるのが一般的です。小型の金属片であれば不燃ごみの日に指定袋に入れて出せます。長さが30cmを超える大きな金属部品は自治体によっては回収してもらえない場合もあるので、必ず30cm未満に切断してから出しましょう。大量のコイルをまとめて出す場合は、ホームセンター等で売っている厚手の透明袋に入れ、中身が見える状態にすると収集員に親切です。袋が破れないよう、尖った箇所には養生テープを巻いておきます。なお、自治体によっては金属製品を資源ごみ(金属資源回収)として扱うところもあります。その場合は指定の回収日に出すか、リサイクルステーション等に持ち込むことになります。
ウレタンフォーム・発泡素材 基本的に**「燃えるごみ」**です。可燃ごみ用の指定袋に入る範囲で小さくして出します。量が多い場合は数回に分けて排出しましょう。ウレタンは石油由来ですが可燃ごみとして焼却処理される自治体が大半です。ただし、低反発素材の一部に難燃剤が含まれているものもありますが、家庭ごみとして問題なく出せます。万一「ウレタンマットレスは粗大ごみに出してください」と指定されている地域では、解体せず粗大ごみ受付に出す必要がありますので注意しましょう。
布・綿・フェルト類 マットレスのキルティング生地、綿詰め物、フェルトパッドなどの繊維系素材も可燃ごみになります。なるべく細かく切って圧縮し、指定袋に入れて出します。綿ぼこりが舞わないよう袋は二重にするか、口をしっかり縛りましょう。量が多ければ一度に出せる袋数の範囲で数回に分けます。寝具に使われていた綿やウレタンはダニや汚れが付着しているため、そのままではリサイクル素材に向きません。潔くごみとして処分するのが無難です。
プラスチック・木板・付属部品 稀にマットレス内部にプラスチック製の板やパイプ、木製ボードが組み込まれていることがあります。これらは素材に応じて分別します。プラスチック板は**「不燃ごみ」(自治体によっては「プラごみ」)へ、小さな木板は「燃えるごみ」または「粗大ごみ」へ回します。金具やファスナーなど小さい付属品は外せるものは外して不燃ごみ**へ。混合素材のもの(例えばバネ付きの布など)は、可能な限り手で分離し、それぞれ可燃・不燃に仕分けましょう。どうしても難しい場合は大きさによって粗大ごみ扱いになるか問い合わせると安心です。
梱包材・その他 解体中に出たガムテープや紐、汚れた養生シートなども忘れずに処分します。基本的には汚れたプラスチック類は可燃ごみ扱いの地域が多いです。金属片が付着したブルーシートは安全のため不燃ごみへ回すなど、ケースバイケースで判断してください。
処分方法の確認と自治体ルール
自治体ごとに微妙にルールが異なるため、最終的にはお住まいの市区町村のごみ分別ガイドに従ってください。例えば、一部の自治体では「スプリング付きマットレスは布部分ともえないごみに分別して出せば収集可」とされています。一方、地域によってはマットレスの解体自体を推奨していない(粗大ごみ受付で引き取る前提)ところもあります。事前に自治体のホームページやパンフレットで「マットレスの処分方法」に関する記載を確認しておきましょう。以下に一般的な確認事項を挙げます。
粗大ごみとして出す必要があるか 「粗大ごみの基準以上の大きさのものは解体していても粗大ごみ扱い」という自治体もあります。解体後のサイズではなく元の状態で判断される場合は、残念ながら粗大ごみ料金を払って収集してもらう必要があります。このような規定があるかチェックしましょう。
持ち込みの場合の料金 ご自身で解体した部品をクリーンセンター等に直接持ち込む場合、料金が発生するかを確認します。自治体によっては持ち込みなら無料または格安(例:スプリングの有無問わず1点300円など)で処理してくれるところもあります。車で運搬できるなら、持ち込み処分も選択肢に入ります。
指定袋や紐の種類 可燃・不燃それぞれ指定のごみ袋や出し方ルールがあります。特に不燃ごみ(金属)は「透明袋に入れて出す」「袋に入らないものは紐で十字にしばる」など決まりがあるので、それに従ってください。スプリングを束ねる際は指定の太さのビニール紐を使うよう要求されることもあります。
最後に、ごみを出す際には**「中身がマットレスの部品である」ことが一目で分かる状態**にしておくと良いでしょう。例えば袋の外から「ウレタンマットレス材」とマジックで書いておく、金属フレームには「金属製マットレス枠」と紙を貼るなどです。収集する職員にとって中身が判別しやすくなり、スムーズに処理してもらえます。
以上で、マットレス解体後の分別と処分は完了です。お疲れさまでした!自力処分が無事できた場合、費用はごみ袋代程度で済んだことと思います。
DIY解体と業者依頼、どちらがお得?費用と手間の比較
ここまで、自分でマットレスを解体して処分する方法を詳しく解説しました。しかし、読者の中には「正直ここまで大変だとは...」と感じた方や、「安全に解体できる自信がない」という方もいるでしょう。その場合、専門の業者に処分を依頼する方法も検討すべきです。
自力処分と業者処分の費用面・手間面の比較をまとめます。どちらが自分に合っているか判断する材料にしてください。
自治体の粗大ごみ回収 vs DIY解体
まず、自治体の粗大ごみ回収に出した場合と、自力解体した場合の比較です。
費用面 自治体の粗大ごみとしてマットレスを処分する場合、処理手数料は1,000〜2,000円程度が相場です(地域・サイズにより異なる)。一方、DIY解体では基本無料ですが、実際には**ボルトカッター等の工具代(数千円)**やごみ袋代がかかる場合があります。また、解体にかかる時間を自分の人件費と考えると、無料とはいえ大きな労力コストです。例えば3日×合計20時間の作業を時給換算すれば相当なものになります。単純な金額比較では、自治体回収は1~2千円、自力解体は実質数百円+労力というイメージです。
手間・時間 粗大ごみ回収の場合、自治体の粗大ごみ受付センターへ電話かネットで申し込み、処理券(シール)を購入してマットレスに貼り、決められた日に指定場所に出すだけです。大きなマットレスを自宅から運び出す手間はありますが、作業時間はせいぜい数十分でしょう。一方、自力解体はここまで述べたように数日がかりの重労働です。時間と体力に余裕がある人でないと難しい面があります。
その他 自治体収集は安心感がありますが、収集日まで待つ必要があります。引っ越しなどで期日が迫っている場合、予約がいっぱいだと希望日に回収してもらえないこともあります。その点、自力解体なら自分のペースで即日でも処分可能です(ごみの日との兼ね合いはありますが、持ち込みならすぐ処理できます)。また、自治体によっては玄関先まで回収に来てくれず自力で搬出が必要なケースもあるので、高層階からの運搬が大変な人は解体して小分けにした方が楽な場合もあります。
結論 費用だけ見ればDIY解体が安上がりですが、労力とリスクを考慮すると自治体粗大ごみ回収はコストパフォーマンスが高いと言えます。特に高齢者や女性で力仕事が難しい場合は、素直に粗大ごみに出すほうが安全でしょう。逆に若くて力に自信があり、暇な時間もあるという方はDIYにチャレンジする価値があります。費用節約額と作業負担のバランスを考えて判断してください。
民間の不用品回収業者に依頼する場合
自治体ではなく、民間の廃品回収業者や引越し業者のオプションサービスなどでマットレスを処分してもらう方法もあります。こちらは費用は高めですが、手間を大幅に省けるメリットがあります。
費用相場 不用品回収の専門業者にマットレス1点を回収してもらう場合、地域にもよりますが5,000〜10,000円程度が一つの目安です。これは業者が自宅まで引き取りに来てくれる便利料込みの価格と言えます。業者によってはトラック積み放題プランなどもありますが、マットレス単品では割高になることが多いです。また、ベッドフレームとセットで依頼するとセット割引がある場合もあります。たとえば、シングルマットレス+フレームの回収で15,000円前後というケースも見られます。
手間・サービス 業者依頼の最大の利点は、自分は何もしなくて良い点です。業者が部屋からの搬出・運搬・処分手配まで一括で行ってくれるため、重いマットレスを動かす必要すらありません。日時も予約すれば都合に合わせてくれることが多く、即日対応可能な業者も存在します。DIYや粗大ごみでは難しい、「2階から階段で降ろす」「ベッドからマットレスを外す」といった作業もすべてプロに任せられます。時間にして、玄関先からの搬出までわずか数分〜十数分程度で完了するでしょう。
注意点 業者選びは慎重に行いましょう。必ず一般廃棄物収集運搬の許可を持った正規の業者に依頼してください。相場より極端に安い料金をうたう業者は、違法投棄などトラブルの報告例もあります。見積もりは複数社から取り、料金やサービス内容を比較すると安心です。また、料金には解体料や運搬料が含まれているか確認しましょう。良心的な業者はその場で追加料金なく対応してくれますが、中には「2階からの搬出は別料金」など細かく加算されるケースもあります。
結論 費用はかかりますが、「時間と労力をお金で買う」と割り切れば最も手軽で安全な方法です。特に忙しい方や力仕事が難しい方には有力な選択肢でしょう。費用面でも、DIYのために新規購入する工具代や労力、万一怪我をした場合のこと等を考えれば、決して高すぎる出費ではないかもしれません。安心料込みのサービスと考えて、信頼できる業者に任せるのも一つの賢い手段です。
新しいマットレス購入時の引き取りサービス
もう一つ、マットレス処分のタイミングとして多いのが「買い替え時」です。この場合、新規購入する販売店で古いマットレスの引き取りサービスを行っていることがあります。
費用と条件 家具店や通販サイトによりますが、マットレス買い替え時に同等品を有料引き取りしてくれるケースがあります。費用相場はシングルマットレス1枚あたり5,000〜10,000円程度です。例えばフランスベッドの公式販売店では、シングルマットレスの引き取り料金目安を税込7,700円~と案内しています。ただし、新品を購入した場合に限る、配送と同時引取のみ、といった条件付きです。
メリット 購入と処分が一度に済むため非常に便利です。配達時に新旧の入れ替えができ、処分の手間を考えなくて済みます。処分費用も単体で業者依頼するより多少割安になっていることが多いです。また、販売店側で適切にリサイクル処理してくれる場合が多く、環境的にも安心感があります(メーカーが責任を持って産業廃棄物として処理)。
デメリット 新品購入が前提なので、単に処分だけ頼むことはできません。また、配達日の調整が必要で、引き取りのみの依頼日は指定できなかったりします。引越しで日時がずれる場合などは、いったん自分で保管する必要があるかもしれません。費用も無料ではない点には注意です(まれにキャンペーンで引き取り無料サービスを行うこともあります)。
結論 新しくマットレスを買う予定があるなら、購入店の引き取りサービスを利用するのが手堅いでしょう。自力解体と比べれば費用はかかりますが、配送業者が行うので安全・確実です。購入時にはぜひ確認してみてください。
解体せずに処分する方法:寄付・リユースという選択肢
最後に、マットレスを**「解体して捨てる」以外の処分方法**についても触れておきます。まだ使えるマットレスであれば、捨ててしまうのはもったいない場合もあります。ここでは、**寄付やリユース(再利用)**の観点から、マットレスを手放す方法をいくつか紹介します。
リサイクルショップや中古買取に出す
状態の良いマットレスであれば、リサイクルショップや中古買取業者が引き取ってくれる可能性があります。ただし条件は厳しめです。
高級ブランド・機能付きならチャンス 日本ベッドやフランスベッドなど有名ブランド製、あるいは電動リクライニング機能付きベッドのマットレスなどは、中古需要があります。使用年数が浅く(目安として3年以内)、目立つ汚れやシミがない美品であれば、買取ってもらえる可能性が高いです。買取額は新品価格や状態によりますが、処分費用が浮くだけでもありがたいでしょう。
一般マットレスは難易度高 一方、ノーブランドや低価格帯のマットレス、汚れ・劣化のあるものは中古市場で敬遠されがちです。特にマットレスは衛生面で抵抗を感じる人も多く、使用年数が少なく美品でない限り買取は難しいようです。リサイクルショップでも「マットレスは扱い不可」とする店も珍しくありません。査定は無料という業者が多いので、ダメ元で問い合わせてみる価値はありますが、期待しすぎない方が良いでしょう。
買取不可でも無料回収の場合も 買取は無理でも、販売ルートがある業者なら無料で引き取りしてくれる場合もあります。「値段はつかないけど処分費はこちらで負担します」というケースです。ただし輸送費はこちら負担だったり、店頭持ち込み限定だったりしますので、条件をよく確認してください。
フリマアプリ・ネット掲示板で譲渡
最近ではメルカリ等のフリマアプリや、地域の掲示板サービス(例えばジモティー)で大型家具の個人取引も盛んです。マットレスも例外ではなく、「取りに来てくれるなら無料で譲ります」といった掲示も見られます。
フリマアプリで売却 メルカリやヤフオクにマットレスを出品することも可能です。ただし配送が最大のネックになります。マットレスは大型宅配便(らくらくメルカリ便の大型サイズ等)で発送できますが、送料が高額になるため、買い手がつきにくいでしょう。実質、近隣で直接引き取りに来てくれる人向けの出品となります。価格も新品価格の1割以下、場合によっては0円に近い値段でようやく引き手がつくレベルです。あくまで多少のお小遣い稼ぎ+処分できればラッキーくらいの心構えで臨みましょう。
ジモティーなどで譲渡 地域密着の掲示板「ジモティー」では、大型家具を無料または安価で譲渡する投稿が多数あります。マットレスも「〇〇市内で直接手渡しできる方限定で譲ります」と募集すれば、意外と欲しい人が見つかるかもしれません。条件としては比較的きれいであることはもちろん、サイズ(シングル/ダブル等)や年式、状態を詳しく記載しましょう。譲る際は自己責任になりますので、相手とメッセージでしっかりやりとりし、受け渡し場所や日時を決めます。自宅に招くのに抵抗があればコンビニ駐車場等で引き渡す工夫も必要です。なお、相手が本当に引き取れる車両で来るか(軽自動車にダブルマットレスは積めない等)も確認しておくと良いです。
衛生面の配慮 中古マットレスの譲渡では「クリーニング済」「除菌済」「カバー洗濯済」などアピールすると印象が良いでしょう。実際に消毒スプレーをして風通ししておく、可能ならスチームクリーナー等で簡易クリーニングしておくと、受け取る側も安心です。特にこれから譲る相手が決まった後は、ペットや喫煙環境での保管に注意し、できるだけ清潔な状態で渡します。
寄付・リサイクル団体に提供
日本では使用済みマットレスの寄付先はあまり多くありませんが、状況によっては福祉施設や被災地支援団体で募集していることもあります。
施設や団体への寄付 社会福祉協議会やNPOで、ホームレス支援施設や避難所向けに寝具を募集していないか調べてみましょう。ただし、衛生面の理由でマットレスの寄付を断られる場合も多いのが実情です。新品に近い未使用品や、在庫処分の新品寄付は受け付けても、中古マットレスは難しいケースがほとんどです。
海外への寄付輸出 一部の企業では、使える中古家具を海外の必要な地域へ輸出・寄付するビジネスモデルを持っています。マットレスも再利用できそうなものは引き取ってコンテナ輸送する例があります。ただし、個人から一枚だけ引き取って...というのは現実的ではなく、法人規模で集めていることが多いです。どうしても捨てるのが忍びない高品質マットレスであれば、そうした活動を探して問い合わせてみる価値はあります。
解体せず長持ちさせる工夫も
番外編になりますが、「処分しない」選択肢として今お使いのマットレスをできるだけ長持ちさせることも考えてみましょう。
ローテーションとメンテナンス マットレスは定期的に向きを変えたり裏返したりすることで偏ったへたりを防ぎ、寿命を延ばせます。日本ベッドなどメーカー各社もローテーションの重要性を案内しています。また、マットレスプロテクターやシーツを活用して汚れを防ぐことで、清潔に長く使えます。
トッパーや敷布団の併用 マットレスが少し硬い・柔らかいなど寝心地に不満が出てきたら、マットレストッパー(薄いウレタンパッド)や敷布団を重ねて調整する方法もあります。これにより下のマットレス本体への負担が軽減され、交換までの期間を伸ばせます。へたりが酷い場合は買い替え時ですが、軽度ならこうした対処でもうしばらく延命できるかもしれません。
処分時期の見極め もっとも、衛生的・構造的に限界が来たマットレスは無理に使い続けるより交換した方が良いでしょう。スプリングの破損や大きな凹み、カビ・ダニの発生などがある場合は、身体の健康のためにも処分をおすすめします。その際、本記事を参考にDIY解体に挑戦するか、あるいは新調と同時に専門業者にお任せするか、ご自身に合った方法で賢く処分してください。
まとめ:自分に合ったマットレス処分法を選ぼう
長年使ったマットレスの処分は、一見ハードルが高いように思えます。しかし、DIY解体という方法を知っていれば、費用をかけずに処分することも可能だとお分かりいただけたでしょう。この記事ではマットレスの種類別に解体手順とコツを詳しく解説し、実践的なポイントを紹介しました。
重要ポイントのおさらい
スプリングありマットレスは、外装を剥がしてコイルを一つずつ切断・分離すれば小さくできます。ボンネルコイルは力仕事、ポケットコイルは手間との戦いですが、どちらも30cm以内の小片にすれば可燃・不燃ごみで処分可能です。
スプリングなしマットレスは、ウレタンや綿をカットするだけなので比較的容易です。大型カッターで30cm以下に切り分け、指定のごみ袋に入れて燃えるごみとして出しましょう。
解体作業は安全最優先で!厚手の手袋・保護メガネ・マスクを着用し、広い作業スペースで慎重に行います。バネ切断時は工具をしっかり握り、刃の向きやバネの跳ねに注意してください。
必要な道具を準備:大型カッター、ボルトカッター(または金鋸)、ペンチなどを用意し、切れ味の良い刃を使いましょう。道具が無い場合は購入費がかかりますが、それでも粗大ごみ料金より安く済む場合があります。
解体後は素材別に分別徹底:コイル等金属は不燃ごみ、布やウレタンは可燃ごみが基本。自治体のルールを確認し、袋詰め・紐縛りなど指示通りに出しましょう。
代替方法との比較:DIY解体は費用が大幅節約できる反面、時間と労力がかかります。自治体粗大ごみ回収は1,000円台で手軽、民間業者依頼は5千円以上で高いが完全お任せ、買い替え時の引き取りサービスも便利(7千円前後~)。自分の優先事項(お金節約か手間軽減か)に応じて方法を選びましょう。
リユースも選択肢:まだ使えるマットレスなら、リサイクルショップやフリマで次の使い手に譲ることも検討できます。ただし衛生面から難しいケースも多いので、期待しすぎず、できる範囲でチャレンジしましょう。
最終的な判断基準
マットレスは大型で処分しにくいものですが、解体という裏ワザを使えば十分に自力処分が可能です。費用を節約したいDIY志向の方は、この記事のガイドを参考にぜひ挑戦してみてください。作業は大変ですが、自分の手で分解した達成感と、お財布に優しい結果が待っているはずです。
もし「やっぱり自分で解体するのは無理かも...」と思われた場合も、自治体回収や専門業者、買い替え時のサービスなど代替手段があります。無理をせず、安全第一でベストな方法を選択しましょう。
古いマットレスを処分してスッキリしたら、次は快適な新しい寝具で素敵な眠りを手に入れてくださいね。処分方法に迷ったときは、この記事をもう一度読み返して、自分にぴったりの方法を見つけてください。
