
ベッド・マットレスのこと
高反発マットレスの選び方|硬さ・復元率・構造の3軸で見る
公開日:2026.11.04(水)
今のマットレスが柔らかくて、体が沈む感じがする。次は高反発にしようか――買い替えのご相談で、よく伺う迷いです。
高反発マットレスは、体を押し返す力が強い寝心地のマットレスです。ただし「高反発」は、法令で決められた区分ではありません。選ぶときは、ラベルで確かめられる「硬さ(ニュートン)」と「復元率」、そして押し返す力をつくる「構造」の3つを見ます。
この記事では、表示の読み方、向く条件と向きにくい条件、ウレタンとコイルの押し返し方の違いを、複数ブランドを扱う販売店の立場で整理します。
この記事の要点
- 高反発マットレスは体を押し返す力が強い寝心地。一般的に硬めと言われる
- 「高反発」は法令上の区分ではない。ウレタンマットレスのラベルで確かめられるのは硬さ(N)と復元率(%)
- 押し返す寝心地は、高反発ウレタン・ポケットコイル・高密度連続スプリング®の3構造でつくられる
- 標準〜がっしりした体格・仰向け中心の人に向きやすく、軽い人・横向き中心の人には硬く感じられることがある
- 最後は同じシリーズの硬さ違いを寝比べ、仰向け・横向き・寝返りの3動作で確かめる
押し返しの強さを寝比べる|ベッド専門ギャラリー新宿・銀座
- ベッドの専門店。各ブランドを数多く展示
- 複数ブランドの寝心地を同じフロアで寝比べ可能
創業約100年。国内外のブランドを取り扱う家具専門店です。
高反発マットレスは「硬さ・復元率・構造」の3軸で選ぶ
高反発マットレスは、「高反発」という名前ではなく、硬さ・復元率・構造の3軸で比べると選びやすくなります。
高反発マットレスは、体を押し返す力が強いマットレスです。体が沈み込みにくく、一般的に硬めの寝心地だと言われています([S003])。
ただ、同じ「高反発」と書かれた商品でも、硬さや作りはさまざまです。そこで、次の3つの軸に置き換えて見ます。
判断軸 | 見るところ | 分かること |
|---|---|---|
硬さ | ラベルのニュートン(N)の数値と区分([S001]) | どのくらい押し返されるか。体重との相性 |
復元率 | ラベルの復元率(%)([S001]) | 押されたあと元の厚さに戻る力の手がかり |
構造 | ウレタン単体か、コイル入りか | 押し返しの出方(面で返すか、点で支えるか) |
ここが要点
- 「高反発」は寝心地の呼び名。比べるときは硬さ・復元率・構造に置き換える
- 硬さと復元率は、ウレタンマットレスならラベルで確かめられる
- 押し返す寝心地は、ウレタンだけでなくコイルマットレスでもつくられている
低反発マットレスとの違いは、この記事では選ぶうえでの要点だけに絞ります。
「高反発」は法令上の区分ではない——ラベルで確かめられるのは硬さと復元率
「高反発」「低反発」は法令上の区分ではなく、ラベルで確かめられるのは硬さと復元率です。ここを知っておくと、商品名の印象に振り回されにくくなります。
寝具用のウレタンフォームマットレスで、ウレタン部分のいちばん厚いところが50mm以上のものは、家庭用品品質表示法による表示の対象です([S002])。表示する項目は、材料・構造・寸法・硬さ・復元率・外装生地の組成・使用上の注意・表示者と決まっています([S001])。
用語:ニュートン(N)と復元率
ニュートンは、ウレタンフォームの硬さを表す単位です。JIS K 6400-2 のA法で、40%押し込んで30秒後の力を測ります([S001])。復元率は、押し縮めたあとにどれだけ元に戻るかを百分率で示す値で、JIS K 6400-4 の方法で測ります([S001])。
硬さには、数値に応じて3つの区分の用語を使い、数値を括弧書きで添えることになっています([S001])。
区分 | ニュートン値 | 出典 |
|---|---|---|
かため | 110N以上 | |
ふつう | 75N以上110N未満 | |
やわらかめ | 75N未満 |
復元率は「復元率96%」のように表示します。「復元率95%以上」のような書き方は適切でないとされています([S002])。ラベルに幅のある書き方をしていないかも、見るポイントになります。
一方、押し返す力そのもの(反発の強さ)は、表示しなければならない項目に入っていません([S001])。つまり「高反発」「低反発」は、メーカーや販売店がつける寝心地の呼び名です。
注意
「高反発」と書いてあっても、硬さの区分が「ふつう」の商品もあり得ます。名前より先に、ラベルのニュートン値と復元率を見てください。なお、この表示ルールはウレタンフォームマットレスのものです。コイルマットレスには、同じ形の硬さ表示はありません。
体重や寝姿勢から硬さの方向を決める考え方は「マットレスの硬さの選び方(体重・寝姿勢・今の不満で決める)」でくわしく整理しています。
押し返す寝心地をつくる3つの構造——ウレタン・ポケットコイル・連続スプリング
押し返す寝心地は、高反発ウレタン・ポケットコイル・高密度連続スプリング®の3つの構造でつくられています。どれも「沈み込みにくさ」をつくりますが、押し返し方が違います。
高反発マットレスと呼ばれる商品の多くは、スプリングを使わず、ウレタンフォームやファイバー(樹脂)を主な素材にしています([S003])。スプリングを使うものはスプリング(コイル)マットレス、使わないものはノンスプリング(ノンコイル)マットレスと呼ばれます([S004])。

構造 | 支え方 | 硬さのつくり方 | 出典 |
|---|---|---|---|
高反発ウレタン(ノンコイル) | 一枚のフォームが全体で押し返す | フォームの硬さ。ラベルのN値で確かめる | |
ポケットコイル | 袋に包んだ独立したコイルが、点で支える | コイルの線径。シモンズは1.7mm・1.9mm・2.1mmの3種で硬さをつくる | |
高密度連続スプリング® | 一本の鋼線がつながったスプリングが、広い面で支える | スプリング層の上に支持層・ソフト層を重ねた3層構成 |
コイルマットレスも、押し返す力と無縁ではありません。たとえばフランスベッドは、スプリングマットレスの表面のソフト層に、高反発フォームや低反発フォーム、ファイバーなどを使うと説明しています([S003])。「ウレタンか、コイルか」の二択ではなく、コイルの上にどんな層が重なっているかでも寝心地は変わります。
ここが要点
- ウレタンは「面で返す」、ポケットコイルは「点で支える」、連続スプリングは「面で支える」
- コイルの硬さは、線径(鋼線の太さ)でつくられていることが多い
- コイルマットレスの表面にも、反発の異なるフォームが使われていることがある
マットレスの種類の全体像は「マットレスとは?布団との違いから選び方まで」、価格帯による作りの違いは「販売員が教える、上位グレードのマットレスの違い」でも整理しています。
高反発が向く条件・向きにくい条件——低反発との違いは要点だけ
高反発は、体格がしっかりしていて仰向けが多い人に向きやすく、体重が軽い人や横向き中心の人には硬く感じられることがあります。合う・合わないは、反発の強さと体の条件の組み合わせで決まります。
フランスベッドの解説では、高反発マットレスは標準〜がっしりした体格の人や、仰向けで寝ることが多い人に向くとされています([S003])。反対に、体重が軽い人や筋肉量が少ない人は硬く感じやすく、横向きで寝る人は肩や腰に圧がかかりやすい、とも書かれています([S003])。
高反発のデメリットとして挙げられるのは、このように硬く感じやすいことと、柔らかく包まれる寝心地を好む人には向きにくいことです([S003])。厚手のものは重く、移動や陰干しの手間が増える点も見ておきます([S003])。
条件 | 高反発寄りが合いやすい | 低反発寄りが合いやすい |
|---|---|---|
体格 | 標準〜がっしりした体格([S003]) | 小柄・細身、体重が軽い([S003]) |
寝姿勢 | 仰向けが中心([S003]) | 横向きが中心([S003]) |
好みの寝心地 | 沈み込む感じが苦手、寝返りのしやすさを重視したい([S003]) | 体の形に沿って包まれる感じが好き([S003]) |
低反発マットレスは、体の形に沿ってゆっくり沈むのが特徴です。そのぶん寝返りに力が要る、熱がこもりやすい、温度によって寝心地が変わる、といった点が挙げられています([S003] [S004])。今の不満が「沈みすぎる」なら高反発寄り、「当たりが強い」なら低反発寄り、と方向を決めると考えやすくなります。
注意
マットレスは眠りの環境を整える道具であって、体の不調を治す道具ではありません。高反発か低反発かだけで、体の痛みや不調が解決するとは限りません。感じ方には個人差があります。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
高反発ウレタンを選ぶときに見る4項目——硬さ・復元率・密度・厚さ
高反発ウレタンのマットレスを比べるときは、硬さ・復元率・密度・厚さの4項目を確かめます。このうち硬さと復元率は法定の表示項目、密度は任意の記載です。
- 硬さ(N) — 体重が重いほど高いN、軽いほど低いNが目安とされています([S003])。区分は110N以上がかため、75N以上110N未満がふつう、75N未満がやわらかめです([S001])。
- 復元率(%) — 表示が義務づけられている項目です([S001])。「96%」のような一つの数値で書かれているかを見ます([S002])。
- 密度(D) — 数値が高いほどへたりにくいとされています([S003] [S004])。ただし密度は法定の表示項目ではないため([S001])、記載がない商品もあります。記載の有無も比較の材料です。
- 厚さ — 1枚で使うなら10cm以上が目安とされています([S003])。厚いほど重くなり、持ち上げての移動や陰干しに手間がかかります([S003])。
4項目は、どれか1つが良ければよいというものではありません。ラベルと仕様書で4項目をそろえてから、候補を比べてください。
ここが要点
- 硬さと復元率はラベルで確認できる。密度は記載の有無から確かめる
- 厚さは1枚使いなら10cm以上が目安。重さとのバランスも見る
- 一般的に、ノンスプリングよりスプリングマットレスのほうが耐久性があるとされる([S004])
耐久性は、使用環境・使用状況により異なります。
押し返しの強さを体で確かめる——亀屋家具の取扱いで硬さ違いを寝比べる
押し返しの強さの違いは、同じシリーズの硬さ違いを寝比べると体で分かります。ここでは、亀屋家具の取扱いから比べやすい組み合わせを紹介します。
先にお伝えしておくと、亀屋家具が取り扱うマットレスはコイル(スプリング)系で、高反発ウレタン単体のマットレスは扱っていません([S008])。そのかわり、押し返しの強さが段階的に違うシリーズを、複数ブランドで並べて比べられます。
ブランド/シリーズ | 硬さのバリエーション | 硬さのつくり方 | 出典 |
|---|---|---|---|
シモンズ 6.5インチ(AA212シリーズ) | ニューフィット/ゴールデンバリュー/エクストラハード | ポケットコイルの線径。1.7mm/1.9mm/2.1mm | |
日本ベッド シルキーポケット(ウール入り) | ソフト/レギュラー/ハード | ポケットコイルの線径。1.2mm/1.3mm/1.4mm。シングルでコイル1200個 | |
フランスベッド LT-5000 | ミディアムソフト/ハード | 高密度連続スプリング®。面で支える構造 |
各シリーズの仕様は「亀屋家具のマットレス取扱一覧」で確認できます。同じシリーズなら生地や詰め物の構成がそろっているため、押し返しの強さの差に集中して比べられます。
- 仰向けで寝て、腰の下に手を入れる
腰まわりだけが深く沈んでいないかを見ます。 - 横向きになる
肩と骨盤の出っ張りが押し返されすぎていないか、当たりの強さを見ます。 - 寝返りを3回する
体を持ち上げる力が要らないか、動き出しの軽さを確かめます。
ギャラリー新宿とギャラリー銀座はベッドの専門店で、各ブランドを数多く展示し、寝心地を比べられるようにしています([S009])。ただし展示している型番は店舗ごとに違い、入れ替えもあります。お目当てのシリーズがある場合は、来店前に展示状況をお問い合わせください。店舗の場所は「ギャラリー新宿・銀座の店舗案内」をご覧ください。
ここが要点
- 亀屋家具の取扱いはコイル系。高反発ウレタン単体のマットレスは扱っていない
- 押し返しの強さは、同じシリーズの硬さ違いで比べると差が分かりやすい
- 仰向け・横向き・寝返りの3動作で、候補ごとに確かめる
硬さ違いの寝比べは、ギャラリー新宿・銀座で
よくある質問
Q. 高反発と「硬め」は同じ意味ですか?
A. 同じではありません。高反発は押し返す力の強さを表す呼び名で、硬めはニュートン値の区分(110N以上)です([S001])。高反発マットレスは一般的に硬めと言われますが([S003])、実際の硬さはラベルのニュートン値で確かめてください。
Q. 今のマットレスの上に、高反発マットレスを重ねて使ってもいいですか?
A. 表面の感触は変わります。ただ、下のマットレスがへたって沈んでいる場合、その沈み込みは上に重ねても残りやすくなります。フレームや床板との組み合わせも含めて見直す場合は「自分に合ったベッドの選び方(フレームとの組み合わせ)」も参考にしてください。
Q. 復元率が高いほど長持ちしますか?
A. 復元率は、押し縮めたあとの戻り具合を示す法定の表示項目です([S001] [S002])。長持ちするかどうかは、密度([S004])や使い方にも左右されます。復元率だけで判断せず、密度や厚さとあわせて比べてください。耐久性は、使用環境・使用状況により異なります。
Q. 亀屋家具で高反発ウレタンのマットレスを試せますか?
A. 亀屋家具の取扱いはコイル系のマットレスで、高反発ウレタン単体のマットレスは扱っていません([S008])。押し返しの強さの違いは、同じシリーズの硬さ違いで寝比べられます。展示は店舗ごとに異なるため、「在庫確認・購入相談の窓口」から事前にお問い合わせください。
まとめ
高反発マットレスは、体を押し返す力が強い寝心地のマットレスです。ただし「高反発」は法令上の区分ではないため、比べるときは硬さ(ニュートン)・復元率・構造の3軸に置き換えます。硬さと復元率はウレタンマットレスのラベルで確かめられ、密度と厚さもあわせて見ると候補を絞りやすくなります。
高反発は、標準〜がっしりした体格の人や仰向け中心の人に向きやすく、体重が軽い人や横向き中心の人には硬く感じられることがあります。押し返す寝心地はコイルマットレスでもつくられているので、最後は同じシリーズの硬さ違いを寝比べて、違和感の少ないものを選んでください。
3つの構造を寝比べて決める|ベッド専門ギャラリー新宿・銀座
- ベッドの専門店。各ブランドを数多く展示しています
- 複数ブランドの寝心地を同じフロアで比べられます
創業約100年。国内外のブランドを取り扱う家具専門店です。
ご注意
- 感じ方には個人差があります。症状が続く場合は医療機関にご相談ください。
この記事について
亀屋家具 編集部が作成し、販売スタッフの確認・ファクトチェックを経て公開しています。
参考文献
- 消費者庁|雑貨工業品品質表示規程(二十四 スプリングマットレス及びウレタンフォームマットレス)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/law/law_07/item_024.html、2026-11-04閲覧)
- 消費者庁|ウレタンフォームマットレス(家庭用品品質表示法)(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_08.html、2026-11-04閲覧)
- フランスベッド|高反発マットレスのメリットデメリットは?低反発との違いや選び方のポイント(https://interior.francebed.co.jp/spring/faq/about-mattress/advantages_disadvantages.php、2026-11-04閲覧)
- フランスベッド|ベッドのマットレスに使用される材料とは(https://interior.francebed.co.jp/spring/faq/about-mattress/material.php、2026-11-04閲覧)
- フランスベッド|高密度連続スプリング®マットレス(https://interior.francebed.co.jp/spring/、2026-11-04閲覧)
- シモンズ|クオリティ&テクノロジー(https://www.simmons.co.jp/philosophy/quality/、2026-11-04閲覧)
- 日本ベッド|シルキーポケットマットレス – hard, regular, soft(https://www.nihonbed.com/products/mattress/silkypocket_hard-regular-soft/、2026-11-04閲覧)
- 亀屋家具|マットレスの取扱商品一覧(商品スペック)(https://www.kameyakagu.jp/products/mattress、2026-08-18閲覧)
- 亀屋家具|店舗一覧(https://www.kameyakagu.jp/stores、2026-11-04閲覧)
情報時点: 2026年8月/最終更新: 2026-11-04

