マットレスが肩こり・首こりの原因になる理由

首や肩のこりは、首から肩にかけての筋肉が緊張し、血の流れが悪くなることで起こります。寝ているときの姿勢が悪かったり、体に合わない寝具で肩の周りの血行が悪くなったりすると、睡眠中に筋肉が休めずに肩こりの原因となってしまいます。

特にマットレスの硬さや沈み具合が合っていないと、寝ている間の姿勢が崩れてしまいます。

硬すぎるマットレスの問題

硬すぎるマットレスの場合、肩や背中など体の出っ張った部分が強く押し付けられ、血の流れが妨げられてコリや痛みの原因になります。特に肩が当たる部分に十分沈み込まないと、肩への圧力が集中し、寝ている間中肩にストレスがかかってしまいます。

柔らかすぎるマットレスの問題

柔らかすぎるマットレスの場合、体が沈み込みすぎて背骨が不自然に曲がり、首や肩に負担がかかります。沈み込みすぎると寝返りも打ちにくくなり、一晩中同じ姿勢でいることで肩の周りの筋肉が緊張し続けてしまいます。

このように、極端に硬いマットレスや柔らかいマットレスは肩こりや首こりを悪化させる可能性があります。今使っているマットレスが体に合っていないと感じる場合は、買い替えを検討することで症状が改善するかもしれません。

肩こり対策のマットレス選びポイント

肩こりや首こりを軽くするマットレスを選ぶときは、以下のポイントを重視しましょう。

• 体圧分散性が高いこと（体への圧力を均等に分散し、肩への負担を減らす）
• 寝返りの打ちやすさ（適度な反発力があり、無理なく寝返りが打てる）
• 首・肩を支える構造（寝る姿勢を安定させ、首や肩の周りのラインを自然に保てる設計）
• 適切な硬さと厚み（体格・体重に合った硬さで、底つき感なく体を支えられる厚み）

これらの点を考えて、自分に合うマットレスを選ぶことが大切です。それぞれについて詳しく説明していきます。

体圧分散性の高いマットレスを選ぶ

体圧分散とは、横になったときに体にかかる圧力を一点に集中させず、分散することです。体圧分散性に優れたマットレスで眠れば、体にかかる圧力が肩や腰に集中せず分散されるため、特定の部分への負担が軽くなり、血行不良を防げます。

逆に体圧分散性が低いマットレスだと肩や背中への圧迫が強くなり、血流が悪くなって肩こりが悪化する恐れがあります。

一般的に低反発ウレタンフォーム（メモリーフォーム）のマットレスは体圧分散に優れており、体の凹凸に沿ってゆっくり沈み込んでフィットします。一方で高反発ウレタンやポケットコイルも十分高い体圧分散性を持ち、全身をバランスよく支えてくれます。

大切なのは体圧分散と適度な弾力（反発力）のバランスです。沈み込みすぎず、硬すぎない「程よい柔らかさ」のマットレスが理想的です。柔らかすぎるものは寝返りが打ちにくく、かえって体を痛める原因にもなります。

💡 体圧分散マットレスのメリット
血行を妨げないことで肩こりだけでなく腰痛や朝の体のだるさも軽くなりやすく、睡眠の質の向上が期待できます。特に横向きで寝る人は肩への圧迫を和らげるためにも体圧分散性の高いマットレスを選ぶとよいでしょう。

寝返りの打ちやすさも重視

人は睡眠中に自然な寝返りを打つことで体への負担を減らし血流を促しています。そのためマットレスは寝返りの打ちやすさも大事なポイントです。

適度に反発力があり、体が沈み込みすぎないマットレスなら寝返りしやすく、肩や首への負担を溜めにくくなります。逆に柔らかすぎて沈み込むマットレスでは寝返り動作が阻害され、肩こりの原因になりかねません。

高反発ウレタンやポケットコイルなど弾力のあるマットレスは寝返りをサポートする反発力があり、肩こり対策に効果的です。

また、マットレスのサイズ（幅）も寝返りの打ちやすさに関係します。シングルサイズ（日本規格で約97cm幅）が窮屈に感じる場合は、思い切ってセミダブル（約120cm幅）以上の広めのサイズを選ぶことも検討しましょう。

寝返りのたびに体がベッドからはみ出しそうだと、無意識に動きを制限してしまいます。十分なスペースがあれば安心して寝返りが打てるので、肩こりがある人ほどベッドのサイズ選びも重要です。

首・肩のラインを崩さないサポート構造

肩こりに悩む人は首や肩の周りのサポートにも注目しましょう。理想的な寝る姿勢では、立っているときと同じように耳・肩・腰が一直線に並び、首から背中にかけて緩やかなS字カーブが保たれます。マットレス選びでは、この姿勢がキープできる構造かどうかがポイントです。

例えば、マットレスの中には頭・肩・腰・脚と部位ごとに硬さを変えるゾーニング構造を採用したものがあります。肩やお尻など沈み込みやすい部分はやや柔らかく、腰部分は硬めに作ることで、横向きで寝るときも肩が沈みすぎず腰が支えられて理想の寝る姿勢を保ちやすくなります。

ゾーニングによりマットレスのフィット性と体圧分散性が高まり、首や肩への負担軽減につながります。

💡 枕との組み合わせも重要
マットレスで体全体を支えつつ、首を適切に支える枕を合わせることで肩・首こり対策の効果が高まります。マットレスが硬すぎると肩が浮いてしまい枕との隙間ができて首に負担がかかりますし、逆に柔らかすぎると肩が沈みすぎて首が曲がってしまいます。

自分に合った高さ・硬さの枕を使うことで、マットレスと一緒に首から肩の理想的なラインを保つことができます。マットレスと枕はセットで寝る姿勢を整えるものと考えましょう。

硬さ・厚さは体格に合ったものを

最後にマットレスの硬さと厚みについても確認しましょう。硬さは先ほど説明した通り硬すぎ・柔らかすぎはよくありませんが、具体的には自分の体重や好みに合う硬さを選ぶことが大切です。

一般的に体重が軽い人は柔らかめ～普通、重い人は普通～硬めを好む傾向があります。ウレタンフォームの場合、日本産業規格（JIS）で定められた硬さの目安値「ニュートン(N)」で表示されることがあります。

目安として、50kg以下の人は100N前後、50～75kgで140～150N前後、80kg以上で170N以上が適切とされています。ただし硬さの感じ方は人それぞれ違うので、実際に横になってみて心地よいかを重視してください。

厚さについても重要です。マットレスが薄すぎると底つき感（体が沈み込んで床板を感じる状態）が生じ、肩や背中に負担となります。特に体重が重い人ほどある程度の厚みが必要です。

シングルサイズ用マットレスの場合の目安厚さは、体重30kg未満で5cm、30～60kgで7cm、60～80kgで10cm、80kg以上で13cm以上とされています。例えば80kg以上の人には最低13cm以上の厚みが推奨され、これくらい厚みがあれば肩や腰までしっかり支えて底つきを防げます。

肩こりに効果的なおすすめマットレス【人気ブランド別】

肩こりや首こりに悩む人にぜひ試していただきたいマットレスを、信頼できるブランド別に紹介します。それぞれブランド独自の技術で体圧分散性や寝る姿勢のサポートに優れた特徴を持っています。

シモンズ（SIMMONS）― 独立コイルが生む理想のフィット感

高級ホテルのベッドとしてもおなじみのシモンズは、独自のポケットコイル構造で体を点で支えるマットレスを展開しています。シモンズのポケットコイルは一つ一つが独立して体を支えるため、沈む部分と支える部分が細かくフィットし、寝ている間の圧力を全身に分散してくれます。

寝返りを打っても体にフィットし続けて姿勢を保つので、自然な寝る姿勢がキープされ「朝までぐっすり眠れた」「起きたとき肩や背中が痛くない」という声も多くあります。

中でも人気モデルのニューフィット（New Fit）とゴールデンバリュー（Golden Value）は、コイルの硬さが異なる2タイプのマットレスです。ニューフィットは線径1.7mmのコイルを使用しソフトな寝心地、ゴールデンバリューは1.9mmと太めのコイルでやや硬めのしっかりとした寝心地が特徴です。

どちらもシモンズこだわりの6.5インチ高さポケットコイルを採用し、体型や動きに細かく反応して支えてくれます。**「柔らかすぎず硬すぎない絶妙な支え心地」**で肩や腰を優しく受け止めてくれるため、肩こりに悩む人にも最適なフィット感と評判です。

寝返り時の揺れも吸収されやすく、同じベッドで眠るパートナーがいても安眠を妨げにくい点もポケットコイルの利点でしょう。

フランスベッド ― 高密度連続スプリングで安定サポート

国内老舗のフランスベッドは、「高密度連続スプリング」という独自のコイル技術で知られています。1本の鋼線から編み上げたコイルを隙間なく配置した高密度構造で、全身を面で支える安定感と耐久性の高さが特徴です。

フランスベッドの高密度スプリングマットレスは、表面は体に優しくフィットし中層でしっかりと支える三層構造になっており、腰や背中を沈み込みすぎないよう支えつつ肩や腕はふんわり受け止めてくれます。硬すぎず柔らかすぎない絶妙なバランス設計で、寝る姿勢を整えながら肩や首への負担を軽くしてくれます。

例えば人気シリーズのライフトリートメント（Life Treatment）は、全グレードで抗菌・通気に優れた素材を使用し清潔さと快適さにも配慮したマットレスです。高密度スプリングに加え、表面に柔らかな詰め物を施すことで肩や肘への当たりも優しく、横向きで寝ても肩が痛くなりにくい工夫がされています。

フランスベッドのマットレスは「硬めが好きだけど肩が痛くならない」「しっかり体を支えてくれるのに寝心地が良い」と評判で、腰痛とともに肩こりに悩む人にもおすすめできるブランドです。

シーリー（Sealy）― 医学に基づくポスチャーテックコイルの安心感

全米シェアNo.1のシーリーは、整形外科医の協力で開発したポスチャーテックコイルを核とする「ポスチャーペディック」シリーズで有名です。ポスチャーテックコイルは荷重に応じて反発力が変化し、体の部位ごとに最適な支え方をしてくれる賢いコイルです。

重たい腰・お尻の部分は沈み込みすぎず、肩や腕は優しく受け止めるように設計されており、個々の体型に合わせて体への負担を最小限に抑えてくれます。実際に「シーリーマットレスに替えてから肩こりや腰痛が改善した」「朝まで熟睡できるようになった」という声が多く、肩こり・腰痛持ちの人に好評です。

シーリーのラインナップには、ホテルのようなラグジュアリーな寝心地の高級モデルから、日本の住宅事情に合わせた薄型タイプまでさまざまあります。例えば最上位モデルの一つマスターピース（Masterpiece）では、頭～肩部分に低反発素材、腰～お尻部分にジェル素材を配するなど5つのゾーンに分けて異素材を組み合わせ、各部位に最適な支えを実現しています。

一方、ベーシックなホテルスタイルシリーズでもポスチャーテックコイルのしっかりしたサポートは健在で、「肩が沈み込みすぎず楽」「長時間寝ても背中が痛くならない」といった口コミが見られます。シーリー製品は耐久性も高く長く使える点も魅力で、自分の好みや予算に合わせて選べば満足度の高い快眠が得られるでしょう。

ドリームベッド ― 日本人の体に寄り添う国産クオリティ

広島発の老舗寝具メーカードリームベッドは、日本人の体格や好みに合ったマットレス作りで定評があります。ドリームベッドのマットレスは、高品質なポケットコイルやウレタン素材を使用し、腰や肩への負担を和らげて体圧をしっかり分散する設計になっています。

実際の利用者からも「寝る姿勢が安定して朝までぐっすり眠れる」「硬めだけど寝返りが楽で肩こりが気にならなくなった」という声が寄せられています。

注目シリーズとして、ドリームベッドと整形外科の専門家が共同開発したリハテック（RehaTech）マットレスがあります。これはリハビリテーションの知見を取り入れ、体を優しく受け止めつつ必要な部分はしっかり支える独自構造のマットレスです。

高弾性の特殊ウレタンやポケットコイルを組み合わせ、寝返りの打ちやすさと圧力分散を両立しており、寝具専門家からも「姿勢が安定しやすく肩や腰が楽になる」と評価されています。

また、ドリームベッドは海外ブランド**サータ（Serta）**の日本製造パートナーでもあり、サータの高機能マットレスを国産品質で提供しています。いずれも日本人ユーザーの声を取り入れ改良が重ねられており、国産ならではのきめ細かな作りが光ります。肩こりに悩む人にも安心しておすすめできるブランドです。

日本ベッド ― 「シルキーポケット」が実現する極上の体圧分散

皇室御用達として知られる日本屈指の寝具メーカー日本ベッドは、その品質の高さで長年支持されています。中でも日本ベッドが誇るシルキーポケットマットレスシリーズは、肩こりに悩む人にぜひ体験していただきたい逸品です。

シルキーポケットは通常の約2倍、シングルサイズで1200個ものポケットコイルを高密度に配置したシリーズで、超高密度のコイルが体の動きにきめ細かく追従します。さらにコイル同士をあえて接着していないため一つひとつが独立して柔軟に動き、寝返りや姿勢変化にも素早く対応してくれます。

まさに「まるで空中に浮いているような支え心地」で、肩や腰への負担を徹底的に研究して作られた体圧分散設計です。

ラインナップには、柔らかなピロートップ付きの「シルキーパフ」、ややしっかりめの「シルキーフォルテ」、ウール入りで通気・吸湿性にも優れた「シルキーポケットレギュラー/ハード」など複数モデルがあります。

共通しているのは絹のようになめらかに体を支えるというコンセプトで、肩先から腰まで全身を点で支えつつ面で受け止める絶妙なバランスです。実際に「朝起きたら肩こりが軽くなった」「今までの布団とは別次元の寝心地」といったレビューも多く、長く使える高級マットレスとして人気です。

体へのフィット感とサポート力を兼ね備えた日本ベッドのマットレスは、まさに一流ホテルのような快眠を自宅で味わえる製品と言えるでしょう。

昭和西川（ムアツ）― 点で支える凸凹構造で血行を妨げない

布団・寝具業界で革新的存在の昭和西川が開発したムアツ布団・ムアツマットレスも、肩こり対策におすすめの寝具です。ムアツはウレタンフォームを特殊な凸凹プロファイル加工した構造で、表面の無数の凸部（点）が体を支え、凹部に空間を作ることで圧力を分散します。

この「点で支える」構造のおかげで体との接触面積が少なくなり、寝ている間に血液の流れを妨げにくいのが大きなメリットです。肩や背中にかかる圧力を放射状に分散するため、筋肉への負担を軽くし、一晩中血行を確保してコリの悪化を防いでくれます。

昭和西川のムアツスリーパーシリーズでは、厚さや硬さの異なるモデルが揃っており、体格や好みに応じて選ぶことができます。例えばムアツふとん スタンダード（厚さ9cmタイプ）は、上層・中層・下層の三層ウレタン構造で、上層の凸凹が体を支え中層で体圧をバランスよく分散、下層で全体をしっかり受け止める仕組みです。

この独自三層構造により自然な寝る姿勢が保たれ、肩や首への負荷を抑えてくれます。さらに通気性にも配慮されており、凸凹の間に空気の通り道ができるため蒸れにくく快適です。

実際にムアツを使った人からは「肩こりが楽になった」「朝起きたときの体の軽さが違う」といった声も多く、長年愛され続けているロングセラーです。

まとめ

肩こりや首こりに悩む人のマットレス選びでは、寝る姿勢を正しく保ち血行を妨げないことが最大のテーマです。そのためには体圧分散性と寝返りの打ちやすさを兼ね備えたマットレスが理想的です。

具体的には以下のポイントが重要です：

• 体圧分散性の高い素材・構造: 低反発や高反発ウレタン、ポケットコイル、高密度連続スプリングなど、体圧を均等に分散して肩への負担を減らすもの
• 自然な寝返りをサポートする反発力: 柔らかすぎず適度な弾力があり、深く沈み込みすぎない硬さ。寝返りが打ちやすいことで筋肉の緊張を防ぎ、肩こりを和らげます
• 首・肩のラインが真っ直ぐ保てる設計: マットレスの硬さのゾーニングや、マットレス＋枕の組み合わせで、首から背中まで無理のない姿勢が維持できること
• 自分の体格に合った硬さ・厚み: 体重や好みに応じて、圧迫感や底つき感のない硬さ・マットレス厚を選ぶ（重い人は硬め・厚め）

今回紹介したシモンズ、フランスベッド、シーリー、ドリームベッド、日本ベッド、昭和西川といった人気ブランドのマットレスは、いずれも肩こり対策に有効な高い品質と特徴を備えています。

ぜひ実際にショールームや店舗で横になって寝心地を確かめ、自分の肩こり・首こり解消にぴったりの一枚を見つけてください。毎日の睡眠環境を整えることで、頑張るあなたの首や肩もきっと楽になるはずです。快適な眠りで疲れを癒し、肩こり知らずの爽やかな朝を迎えましょう。